-  Scorn Defeat
Release:1993 年
Type:full-length
Label:Deathlike Silence Productions
Country:Japan
Genre:Black Metal
1作目。ジャパニーズブラック。クラシカルなキーボードとおどろおどろしいドゥーミーなアレンジが魅力。リフも邪悪で地獄世界に居る様な錯覚に陥る。ミライ氏の吐き捨て、シンイチ氏のリフワーク、サトシ氏のドラムいずれもブラックメタル演奏者ならではの不気味さを湛えている。そしてこの頃からヴァンギャルドなアレンジも差し込みながら展開する作風である。
(満足度 88%)
登録日:2024-01-28
更新日:2024-02-03
  -  Infidel Art
Release:1995 年
Type:full-length
Label:Cacophonous Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
2作目。イントロから引きずる様なリフ、そしてアヴァンギャルドに走る。ミライ氏、シンイチ氏、サトシ氏のトリオによるブラックメタルはやはり異質である。既にかなりのオリジナリティを確立している。一筋縄に展開しないところが彼等の魅力。特にミライ氏の吐き捨てと共にシンフォニックに走るパートや普通声で朗々と歌うパート、ドゥーミーにうねるパートなど幾多の転調を交えて展開する箇所には唸らされるね。中盤以降は、シンフォニック度高め。
(満足度 88%)
登録日:2024-01-28
更新日:2024-04-20
  -  Hail Horror Hail
Release:1997 年
Type:full-length
Label:Cacophonous Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
3作目。いきなりストレートなメイデニックチューンに心を掴まれるね。アヴァンギャルドさとストレートさのバランス感も良好。シンイチ氏のギターは相変わらず良いなあ。また、ミライ氏の吐き捨てもバンドの顔である。シンフォニックアレンジもよりドラマティックに、英国のクレイドル・オブ・フィルスにも通じるロマンティシズムを振り撒く。速さに頼らなくてもこれだけのクオリティのブラックメタルを生み出せるのは凄いね。
(満足度 89%)
登録日:2024-01-28
更新日:2024-02-09
  -  Ghastly Funeral Theatre / 葬式劇場
Release:1997 年
Type:EP
Label:Cacophonous Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
6曲入りEP。アヴァンギャルドな独自のブラックメタルを更に推進。前作のシンフォニック路線からよりストレートになった雰囲気がある。従来通りミライ氏の吐き捨てを主軸にジャパニーズホラーテイストのアレンジ、朗々と歌う普通声やメランコリックなキーボードが花を添える。シンイチ氏の弾くギターのフレージングが相変わらず特異だ。
(満足度 86%)
登録日:2024-01-28
更新日:2024-05-03
  -  Scenario IV: Dread Dreams
Release:1999 年
Type:full-length
Label:Cacophonous Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
4作目。アヴァンギャルドさを増した作風へとシフト。かと言って聴きづらくなった訳ではないが、この一筋縄では行かないサイサウンドは強烈な個性を放っており圧倒されるね。シンイチ氏のリフワークはやはりこのバンドの肝でもあり、ドゥーミーにメロディックに多彩なフレーズでの構築力、ミライ氏による芸術度強めのシンフォニックアレンジのせめぎ合いが見事だ。
(満足度 88%)
登録日:2024-01-28
更新日:2024-01-28
  -  Imaginary Sonicscape
Release:2001 年
Type:full-length
Label:Century Media Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
5作目。カコフォナスからセンチュリー・メディアへ移籍。更にアヴァンギャルド性を強めアーティスティックな作風へと遷移。ブラックメタル度はミライ氏のスクリームを除いてほぼ皆無で、シンセアレンジをメインに据えた実験要素が強めなので受けは良くないかも。
(満足度 76%)
登録日:2024-01-29
更新日:2024-01-30
  -  Gallows Gallery
Release:2005 年
Type:full-length
Label:Candlelight Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
6作目。センチュリー・メディアからキャンドルライトへ移籍。前作から一点、メタルのアグレッションを押し出した意欲作。また、ミライ氏が普通声で歌っているのもサプライズか。オーセンティックメタル風である。やはり一筋縄では行かないバンドの特色が発揮されているね。ただ、個人的には初期の路線を復活させて欲しいかなと。意欲は感じるが振り幅が大きすぎて若干リスナーが置いてけぼり感アリ。
(満足度 77%)
登録日:2024-01-29
更新日:2024-02-09
  -  Hangman's Hymn - Musikalische Exequien
Release:2007 年
Type:full-length
Label:The End Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
7作目。キャンドルライトからジ・エンド・レコーズへ移籍。実験要素が強かった前2作から一点ブラックメタリックな作風に回帰。前作から加入のジュンイチ氏の疾走感のあるドラムと共にミライ氏によるオーケストレーションがドラマ性も向上させているね。初期には敵わないが悪くはない。
(満足度 83%)
登録日:2024-01-29
更新日:2024-02-11
  -  Scenes from Hell
Release:2010 年
Type:full-length
Label:The End Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
8作目。ミライ氏の妻となるミカンニバル女史がサクスフォーン奏者として加入。アレンジャーとして楽曲に積極的に導入されている。方向性は前作に続き疾走感があるアヴァンギャルドブラックメタル。しかし音が悪いなあ。ミライ氏のスクリームもドラムも埋もれて聴こえにくい。もっと予算を割いて極上のプロダクションだったらなと感じる。ミライ氏によるオハコのボンバスティックなオーケストレーションは抜群に良いだけに、音質の悪さにより印象が悪くなってしまった。
(満足度 79%)
登録日:2024-01-30
更新日:2024-02-29
  -  In Somniphobia
Release:2012 年
Type:full-length
Label:Candlelight Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
9作目。音質は篭り気味ながらも、冒頭からクサメロで疾走するところなんか堪らないよね。メロスピ風の新機軸が新鮮。また、それに絡むシンフォニックアレンジが実に良い。肝となるシンイチ氏のギター、ジュンイチ氏による疾走するドラムといい演奏陣のテクも心地良い。ただ、それ以降は実験的アヴァンギャルドな楽曲が続きブラックメタル度が無いため集中を欠くのが残念。また、全体を通しても実験的要素が強いため好みは分かれるだろう。
(満足度 77%)
登録日:2024-01-30
更新日:2024-01-30
  -  Scorn Defeat 20th Anniversary Gig
Release:2013 年
Type:live album
Label:Mort Productions
Country:Japan
Genre:Black Metal
Scorn Defeatリリース20周年記念しての浅草でのギグを収録したライヴアルバム。ヴェノム、バソリー、デスのカヴァーも演奏しつつデビュー作、2作目の楽曲をプレイ。音質は余り良く無いが、アングラなブラックメタル感があって中々。ミライ氏のキレた歌唱と演奏陣のまとまり感も見事である。サイファンであれば、見つけたらゲットすることをオススメする。
(満足度 87%)
登録日:2024-05-06
更新日:2024-05-06
  -  Graveward
Release:2015 年
Type:full-length
Label:Candlelight Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
10作目。オリジナルメンバーでありギタリストのシンイチ氏がまさかの脱退、後任に福島在住のシンフォニックブラックプロジェクト、カデンザのユウ・オオシマ氏が加入。基本路線は不変で、前作よりもアヴァンギャルドなブラックメタルのアグレッションは増した印象。ミライ氏拘りのオーケストレーションと共にシンイチ氏とは異なる速弾きを得意とするオオシマ氏のリードが光る。今回は実験要素が薄くメタリックなアルバムとして楽しめるのも一番のポイント。要は私好みである。
(満足度 85%)
登録日:2024-01-30
更新日:2024-02-09
  -  Heir to Despair
Release:2018 年
Type:full-length
Label:Candlelight Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
11作目。総統ミライ氏率いるジャパニーズアヴァンギャルドブラックの雄。冒頭からプログレスする作風。まさにアヴァンギャルドの極みである。オオシマ氏のギターとミライ氏のキーボードの絡みが絶品だ。既成概念に囚われない曲構成。続いてメイデニックなギャロップリフで進軍。これまた、サイらしい正統派エッセンスの片鱗を見せつける疾走ブラック。途中の速弾きはオオシマ氏らしい。吐き捨てるミライ氏もテラカコヨスなパフォである。実験要素強めの曲として、中盤の”Heresy”3部作が配置されており、これは正直・・・である苦笑。その後は再びドラマティックな疾走曲となり(ミライ氏によるフルートアレンジがフォーク風で良き)、大作のアルバムタイトルトラックへと繋がるが、これもハズレかなあ。と言うわけで、相変わらず実験要素強めの作風なので、コアなファンにしかオススメできないのが歯痒いが、繰り返し聴き込んで新たな発見を見出したい。
(満足度 77%)
登録日:2024-02-23
更新日:2024-02-23
  -  Shiki
Release:2022 年
Type:full-length
Label:Peaceville Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
12作目。死を恐れる男を題材にしたコンセプトアルバム。うねるリフから始まるが、音質は過去一にブラッシュアップ。長らくウィークポイントであったリズムセクション周りのどっしりとした音作りがようやくサイの表現したいサウンドに追いついた印象である。サウンド自体もアヴァンギャルドさを抑えてドゥーミーなブラックを体現しており、初期の良さを現代に蘇らせた感じで素晴らしい。ミライ氏のスタッカート気味に噛み付くスクリームも堪らないし、何よりゲスト参加のドラマー、マイク・ヘラーのブラスト、ギタリストのフレデリクの濃厚なフレージングによる全体の雰囲気作りの貢献度も相当なものだ。是非次作も参加お願いします!
(満足度 91%)
登録日:2023-06-17
更新日:2024-01-30
  -  Live: The Eastern Forces of Evil 2022
Release:2023 年
Type:live album
Label:Peaceville Records
Country:Japan
Genre:Black Metal
ライヴアルバム。坊主達の読経から始まる邪悪さが堪らん。その流れでScorn Defeatのオープニング”A Victory of Dakini”がスタート。ジャパニーズブラックたる所以を惜しみなく放出する様にパンツを汚してしまった。ミライ氏のスクリームも円熟味に達した堂々たるパフォーマンス!音質も抜群で重厚感があり文句なし。メロスピ調の”Purgatorium”、アヴァンギャルドな”Transfiguration Fear”(ハモンドとサクスフォーンアレンジが堪らない)、ニューアルバムからドゥーミーな”Kuroi Kage”、葬式劇場EPから”Shingontachikawa”などなど、新旧交えて良い音質で聴けるのは非常に有難い(ラストのDeathカヴァー"Evil Dead"もグッド!)。また、ワカイ氏のギターも正統派畑の丁寧な組み立て、ソロはメロディックで中々悪くない。より幅広いリスナーに訴求しそうないい意味でのメジャー感も滲ませつつ今後の活動にも注目である。
(満足度 92%)
登録日:2024-02-04
更新日:2024-02-04